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 前回に続き、夏にぴったりのブラジル音楽を紹介する。歌手としても活躍しているフランスの人気女優クララ・ベラール。ブラジルとフランス。どこか近しい感覚がするが、何故だろうか。




 クララ・ベラール(Clara Bellar)。パリ生まれの女優。スティーヴン・スピルバーグ監督の「A.I」では乳母ロボットを演じ、エリック・ロメール監督のフランス映画「パリのランデブー」で主演するなど、数々の作品に出演している。

 そんな彼女がブラジル音楽のアルバムを出した。生まれ育ったパリでの環境が影響している。自宅の隣に住んでいたのは何と世界中にボサノバを広めることに貢献したあのピエール・バルーだった。幼いときからブラジル音楽に親しみを感じていたわけだ。

 アルバム「シャンパンとカイピリーニャ〜マイ・ブラジリアン・ハート」には彼女の友人でもあるドリ・カイミが参加している。ドリはブラジル音楽の開祖と称されるドリヴァル・カイミの息子だ。

 演奏者もブラジル音楽の手練れが集まっている。ゲストにはミルトン・ナシメントとジョアン・ボスコが参加、ドリ自身もギタリストとして加わり、カエターノ・ヴェローゾの来日公演にも参加したジョルジ・エルデル、そしてマルセロ・コスタなど。

 彼女は全曲ポルトガル語で歌っている。それなのに、どこかフレンチ・テイストが息づいているのも彼女ならではだ。

 アルバム収録曲はブラジル音楽で愛をテーマにした名曲揃い。ジョアン・ジルベルト の「懐かしのバイーア」(海の奇蹟)、「僕はバイーアから来た」(声とギター)、「アデウス・アメリカ」「僕はバイアーノ」(イン・トーキョー)とジョアンゆかりの曲が多いのも嬉しい。

 多くのアーティストが取り上げた「枯葉」、ジョアン・ボスコの低声が魅力的な名曲「ブラジルの水彩画」、カエターノの代表曲「サンパ」、エリゼッチ・カルドーゾの名唱で知られる「ヴィラの魔法」、ミルトン・ナシメント81年の名作「カカドール・デ・ミン」から「ブラジルからの便り」。そしてシコ・ブアルキ作「ジョアナ・フラセーザ」でのミルトンの深みのある歌声も心地よい。

 ドリのアレンジも素晴らしく、彼女の歌声は生き生きとした表情をみせ、多くの人たちに歌い継がれてきた名曲にまた新たな命を吹き込んでいる。

1.三つの種族の歌
2.ジョアナ・フランセーザ
3.懐かしのバイーア
4.枯葉
5.アデウス・アメリカ
6.ブラジルの水彩画
7.サンパ
8.ヴィラの魔法
9.僕はバイアーノ
10.ナサォン
11.サンバと愛
12.マンゲイラのピアノ
13.僕はバイーアから来た
14.ブラジルからの便り
15.マラカナン
16.ブラジル・パンデイロ~イスト・アキ・アオ・キ・エ

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