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最新2nd Album「ライフアルバム 2月13日発売
1.Good Morning/2.茜色の約束/3.夏空グラフィティ/4.青春ライン/5.@miso soup/6.ソプラノ/7.花は桜 君は美し/8.ちこくしちゃうよ/9.心一つあるがまま/10.ニセモノ/11.東京猿物語/12.月とあたしと冷蔵庫/13.茜色の約束-acoustic version-
 一昨年の3月、沢山のアーティストが「桜ソング」を発表する中、気になる楽曲がテレビCFから流れてきた。「SAKURA」。ボーカルは若い女の子。

 グループ名はずっと「生き物語(いきものがたり」だと思っていた。その年のクリスマス。TBSの小田和正の「クリスマスの贈り物」という番組に彼らが登場した。男の子二人と女の子のユニット。初めて彼らの姿を目にした。グループ名「いきものがかり」。若い。

 公式サイトのプロフィールによると、高校の同級生だった水野良樹と山下穂尊によって1999年2月にグループ結成。彼らが小学1年生の時に「生き物係」をしていたのがグループ名の由来。その年の12月に、同級生の妹、吉岡聖恵が加わる。地元の厚木、海老名・を中心に路上ライブやライブハウス活動を続け、2006年3月15日、エピックレコードジャパンからメジャーデビューしている。

公式サイト
http://www.ikimonogakari.com/
公式ブログ
http://ent2.excite.co.jp/music/special/ikimonogakari/




1.SAKURA/2.ホットミルク/3.卒業写真/4.SAKURA(インストゥルメンタル)
 「SAKURA」の最初のフレーズ。作詞、作曲は水野良樹。

『さくら ひらひら舞い降りて落ちて 揺れる 想いのたけを 抱きしめた
君と 春に誓いし あの夢は 今も見えているよ さくら舞い散る

電車から 見えたのは いつかのおもかげ ふたりで通った春の大橋

卒業の ときが来て 君は故郷(まち)を出た 色づく川辺の あの日を探すの

それぞれの道を選び ふたりは春を終えた 咲き誇る明日(みらい)は あたしを焦らせて

小田急線の窓に 今年もさくらが映る 君の声が この胸に 聞こえてくるよ』

[全編:いきものがかり/歌詞:SAKURA/うたまっぷ歌詞無料検索] 

 歌への親近感は個人的なもの。小田急線にびくりとした。彼らと同じ年の頃、小田急線の町田に友人がいた。父親という煙たい存在もあるし、実家には居づらい。家にも帰らず、友人の家を転々と泊まり歩いていた。迷惑を薄々は感じながら、暖かく迎えてくれるのをいいことに、そんな生活をしていた。

 その家には姉と妹がいた。一緒に訪ねる友人が姉に恋をし、僕は妹に恋をした。思い通りにはいかない。姉は僕に好意を持ち、妹は友人が気になっているようだった。ある夜のこと、一緒の友人と姉は酔いつぶれてしまい、僕は妹と二人で話しをした。

 男からは姉妹は不思議な存在。姉は奔放で、妹はしっかりしている。妹は「姉さんのように自由にやりたいけどできない」と僕に話した。それを分かっている姉はわざと、やりたいようにやっている。まるで姉が妹で、妹が姉のように面倒をみていたのだから。

 友人の姉への思いは実らなかった。失恋というやつ。彼は号泣し、公園で夜明かしもした。僕の方は思いを伝えることなく、そのままとなった。それから小田急線は特別なものとなった。今でも、新宿から藤沢経由、江ノ電で鎌倉まで行く小旅行の時には、そのことを思い出す。




 この歌にも、春、桜、卒業と別れの象徴が散りばめられている。男の子の作なのに、歌っているのは女の子。歌詞は中性的。感傷的かというと、全く違う。力強い歌声で、心地よい緊張感がある。

 通学の時だったのだろうか。二人で渡った橋は、春の大橋。君は街に出たけれど、私は一人で故郷(まち)に残り、咲き誇る明日(みらい)へと一緒にした誓いが「あたしを焦らせて」いる。

 「若いってのは可能性が沢山あるってことだよ」とは大人の悪い口癖。当人は思ってもいない。どうしてよいかわからないので、焦っている。そんな訳知りにも苛立っているのに.....。

 町田に通っていた頃、駅前は雨が振ると泥道となった。その後、高度成長期を経て、一大ターミナルとして成長していく。厚木、海老名は、町田からは少し先に位置している。東京に土地勘があるとわかるのだが、厚木、海老名から都心(新宿)には、地方都市からやってくるのに比較すれば、すぐに出られる。

 彼らはきっと20歳代の半ば、両親は50歳代だろうか。東京の郊外の故郷(まち)に育ったごく普通の若者たちの、咲き誇る明日(みらい)への畏れ、苛立ち、心理的な距離感を鮮やかに表現している。

 二人は出会えるのだろうか。小田急線の窓から、橋が見えた時、「春の大橋」の記憶が残っていれば会えるかもしれない。その時、二人は、その橋を、咲き誇る明日(みらい)と一緒に渡っている。

 3月30日(日)、海老名市文化会館 大ホールを皮切りに、5月23(金)の東京SHIBUYA-AXでのライブまで、「いきものがかりの みなさん、こんにつあー!! 2008 〜ライフアルバム〜」として全国ツアーを計画。会場はきっと若者たちで一杯のはず。気恥ずかしいけれど行ってみよう。

コンサート予定()右側バナーから
http://www.ikimonogakari.com/
チケット情報(上部の検索窓に「いきものがかり」で検索)

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