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 東京は大寒が過ぎましたが、寒い日が続いています。南半球は、夏の真っ盛り。2008年、リオのカーニバルは2月2日〜5日開催予定です。

 きっとニュースでも映像が流れるでしょう。一時、寒さを忘れてみたいものです。リオというと連想ゲームのように、ブラジル・サッカーが浮かび、サッカーボールを蹴りたくなります。そして、学生時代に、授業が終わったグラウンドで、ボールが見えなくなるまで、友人達とサッカーに興じていたのも思い出されます。

 サッカーは何が起こるのかわからない。決して強いチームが順当に勝つとはいえない。でも、ブラジルのサッカーは圧倒的です。ロナウジィーニョ、カカ。その名前を聞いただけで凄い。そして何よりもブラジルのサッカーは見ていてワクワクするほど楽しいです。

 ブラジルといえば、カーニバルでのサンバ、ホサノバです。ワールドカップの時、彼らブラジルチームの移動中の映像、いつも歌って、踊って騒いでいました。彼らのサッカーにはサンバのリズムが流れているようです。




 サンバ(samba)というと、躍動するリズムでセクシーに踊るリオのカーニバルの女性達の映像が浮かびますが、実は、その成立の背景には、悲しい歴史があります。米国と同様に、ブラジルに暮らす肌の黒い人たちは、かつての奴隷の末裔です。

 サンバは庶民のダンスパーティの意味。ダンスパーティの中で、リオに流れ込んだ黒人が持ち込んだアフリカ音楽とブラジルの伝統音楽が融合して成立したといわれています。

 リオのカーニバルといえば、映画「黒いオルフェ」を思い出します。主人公がオルフェ。彼はリオ・デ・ジャネイロの港を見下ろす丘にある貧しい人たちの街の住人。オルフェはギターの名人です。彼のギターには鳥も羊も聞き入り、近所の子供たちはオルフェの歌が毎朝、太陽を昇らせると信じて尊敬していました。

 この映画の中で黒いオルフェが奏で、一躍、有名となったのが「カーニバルの朝(黒いオルフェ)」です。ブラジルの代表的作曲家で名ギタリスト、ルイス・ボンファとアントニオ・カルロス・ジョビンによって生み出された楽曲です。

 タイトルバックに流れ、オルフェが歌う「フェリシダージ(悲しみよ、さようなら)」はジョビンの作。この映画によってボサノバが世界的なブームを呼ぶ引き金になりました。

 激しいリズムで突き上げるように喜びを表現するサンバと哀愁を秘めたギターとささやくような声で歌われるボサノバ。そんなブラジルの人たちの喜びと悲しみの両面をこの映画が教えてくれます。




 スタン・ゲッツは、白人のジャズ・サックス奏者です。正統的なスタンダード・ジャズも数々、演奏していますが、彼はボサノバの名手としても知られています。

 彼とボサノバを世界的に有名にしたのが、女性歌手 アストラッド・ジルベルトと共演したアルバム「スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト」です。

 「スタン・ゲッツ・ベスト・コレクション」では、そんなスタン・ゲッツの手になる珠玉のボサノバ・ナンバーが聴けます。

 日本でボサノバといえば、小野リサです。10歳までブラジルで過ごした経歴から、「これが日本人のボサノバ?」と思えるほど、ナチュラルで正統的ともいえるボサノバを聴かせてくれます。最近は、ボサノバだけでなく、ジャズのスタンダードや日本の楽曲なども取り上げ、コンサートはすぐに満員となるほど、高い人気を誇っています。

 日曜日の夕刻、17時〜17時54分までJ-WAVEで放送されている番組「サウジ・サウダージ」で月に一度、DJをやっています。四谷にある「サッシペレレ」は彼女の父親が経営しているお店で、ボサノバの生演奏も聴けます。

小野リサ公式サイト


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