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マイルス・デイビスのレコードを初めて聴いたのは高校時代でした。当時、池袋に(確か記憶では)KISSというジャズ喫茶がありました。そこで聴いた彼の演奏には驚かされました。ピーンと張りつめたような緊張感。これまで聴いたことのない演奏だったからです。
当時はレコード。演奏されている作品がカウンターの端に置かれていました。そのジャケットも洒落ていて、少し大人になったような気分でした。
そのお店には少し変わった女の子がいました。長いストレートな髪に、上から下まで真っ黒なロンドドレス。そして真っ赤な口紅。今では、顔は思い出せませんが、その口紅の色だけは鮮明に覚えています。彼のレコードを聴きに行くのは言い訳だったのかもしれません。
今でも彼のCDはよく聴きます。でもバラードが中心です。スピード感溢れる作品は、ちょっと元気がないとなかなか聴けません。
誰もが寝静まった夜半に、彼のミュート奏法によるバラードを聴くと、しんみりとします。ミュート奏法はマイルスが初めてではありませんが、一度聴くと、「これはマイルスだ」とすぐにわかるほど、独特のものです。
『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』
邦題は「いつか王子様が」。これぞマイルスというミュートが聴けます。テナーサックスはジョン・コルトレーンとハンク・モブレイ、ピアノはウィントン・ケリー、ベースはポール・チェンバース、そしてドラムスはジミー・コブとフィリー・ジョー・ジョーンズ。
『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』
マイルス・デイビス・クインテットが贈るジャズの神髄が楽しめます。何故、神髄かといいますと、それは演奏者にあります。テナーサックスはジョン・コルトレーン、ピアノはレッド・ガーランド、ベースはポール・チェンバース、ドラムスはフィリー・ジョー・ジョーンズ。ラウンド・アバウト・ミッドナイトは、それこそ静まりかえった夜中に聴くと、しびれます。
『カインド・オブ・ブルー』
ジャズに革新をもたらしたモード奏法によるアルバム。モード奏法の成立にはピアニストとして参加しているビル・エヴァンスが貢献しています。
アルトサックスはキャノンボール・アダレイ、テナーサックスはジョン・コルトレーン、ピアノはビル・エヴァンスとウイントン・ケリー、ベースはポール・チェンバー、ドラムスはミー・コブ。
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