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監督:マイケル・ムーア
キャスト:ドキュメンタリー映画のため、俳優の出演はなし
8月25日(土)シネマGAGA!、シャンテシネ、新宿ジョイシネマ、シネ・リーブル池袋他全国ロードショー
公式サイト:シッコ
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 生きるべきか、死ぬべきか ?アメリカではそれを決めるのは保険会社。そのウラには、治療費を払えないという理由で命を落とす多くの国民たちがいる。

 そして、ムーアは語りかける、本当にこんな社会でいいのか?何か間違っていないか?今こそ立ち上がれ!と。仕事中、事故で指を2本切断された中年の大工。健康保険を持っていない彼に、医師は聞く。「薬指をくっつけるのは1.2万ドル。中指は6万ドル。どっちにしますか?」。安いほうを選んだ大工の手に、中指はない。

 50代の夫婦。夫が心臓発作を起こし、妻はガンを患った。彼らが加入しているのはHMOと呼ばれるタイプの、保険料が安いかわりにクオリティも低い保険。自己負担額を払いきれなくなった夫婦は、娘夫婦の地下室に引っ越すことを余儀なくされる。売りに出されたわが家を見つめる彼らは無念の気持ちで一杯だ。

 悠々自適な引退生活をしていてもおかしくない年齢なのに、スーパーマーケットで毎日働く老人。会社を辞めて、福利厚生の一部である保険を失えば、薬代が払えないからだ。健康保険をキープするだけの目的で、彼は死ぬまで働き続ける。

 骨髄移植で命が救われるかもしれない、重病の夫を抱える妻。彼の家族の骨髄がマッチすると判明し、大喜びしたにも関わらず、保険会社がなかなかお金を下ろしてくれない。待っているうちに夫は死んでしまった。「なぜ」と、良き夫で、良き父だった愛する男性の写真を手にして、彼女は涙を止めることができない。

 『シッコ』には、まだまだたくさんの悲劇が登場する。病院を たらいまわしにされた末に死んだ子供もいれば、保険がなく 支払い能力がないからと、路上に放置された女性もいる。保険会社のせいで、アメリカ国民の命は日々脅かされているのだ。中には、あまりにもばかばかしすぎて悲劇を越え、喜劇になるケースもある。標準より痩せすぎているという理由で保険加入を拒否されたり、医師がガンだというのに「あなたの年齢でそのガンはありえない」と保険会社が決めつけたりすることもあるのだ。

 ムーアのドキュメンタリー映画の目的は単なる「記録」でも「告発」でもない。「現実を変えること」だ。『ボウリング・フォー・コロンバイン』では大手スーパーに殴りこんで銃弾の販売を中止させ、『華氏911』ではイラク戦争を止めようとした。本作『シッコ』の目標は「アメリカに国民健康保険制度を実現させること」そして、「病気で苦しむ人たちを救うこと」だ。

 世界一の超大国の病んだ現実を暴いて、ゾっとさせ、笑わせ、泣かせる『シッコ』。全米公開時はドキュメンタリー史上第2位(1位は『華氏911』)のオープニング興行収入を叩き出し、あまりの反響の大きさに、公開直後に異例の200館拡大上映!

 この映画はアメリカの病にムーアが処方した苦い薬だ。2008年の大統領選挙ではこの医療保険問題が争点となる。果たして、ムーアの目標は達成されるのだろうか?

 さて、国民健康保険が当然の私たち見たらこの現象はしょせん他人事?いや、日本政府は現に医療費を大幅削減し、介護医療は民間に丸投げしているぞ!日本に健保民営化の可能性がないとは絶対に言い切れないのだ!




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