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監督:平山秀幸
脚本:奥寺佐渡子
原作:佐藤多佳子
キャスト:国分太一、香里奈、森永悠希、松重豊、八千草薫ほか
2007年5月26日(土)シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
公式サイト:しゃべれども、しゃべれども
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 古典を愛する二つ目の落語家・今昔亭三つ葉。思うように腕も上がらず、悩んでいる彼のもとに、「落語を、話し方を習いたい」とひょんなことから三人の変わり者たちが集まってくる。

 すこぶる無愛想で口下手な美人・十河五月。勝気なためにクラスになじめない大阪から引っ越してきた少年・村林優。毒舌でいかつい面相の元プロ野球選手・湯河原太一。

 ところが彼らは集まるごとに言い争い、なかなか落語も覚えない。そんな彼らをまとめなくてはならない三つ葉は、密かに想いをよせていた女性が来年結婚することを知り、また一つ、躓いてしまう。

 落語は上達しない。教室はうまくいかない。女にフラれた。どん底の三つ葉を救ったのは、尊敬して止まない師匠・小三文の十八番「火焔太鼓」だった。

 師匠の噺が好きだ。落語が好きだ。
 あらためて実感した三つ葉は、一門会でその「火焔太鼓」に挑戦することを決意する。一方、なんとか「まんじゅうこわい」をマスターした十河と村林も、発表会の開催を決める。果たして、それぞれの気持ちは、本当の想いは伝わるのだろうか…。

 『しゃべれども しゃべれども』は、しゃべりのプロである落語家と彼のもとに集ったワケありの生徒たちをモチーフに、現代を生きる人間たちに欠如しがちなテーマ=人と人とのコミュニケーションの大切さや想いを伝えることの尊さを真摯に描いていく。

 「これは、当たり前に生活している人たちの身の丈にあった映画」と語る平山秀幸は、生徒たちが三つ葉に挑んでくる言動やそれを思うように受け止められない三つ葉の表情で、彼らが抱えているコンプレックスやプライドを浮き彫りにする。そして、冷たく凍りついた心が少しずつ溶け出し、自信と勇気がもてるまでを、観客は「がんばれ!」と心の中で応援しながら見守ることになる。

 さらに十河と三つ葉のラストシーンは、気持ちを言葉にすることはもちろん、時には言葉のないコミュニケーションが一番心に響くということを爽やかに謳い上げている。

 原作は97年度「本の雑誌」ベスト10 第一位に輝いた佐藤多佳子の長編小説。受賞から10年。「想いを伝えることの大切さ」を描く本作は、悲しく酷たらしい様々な事件が世間を騒がせている今だからこそ心に響く、極めて今日的な作品であるといえよう。





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