最新映画、話題作を観るならワーナー・マイカルで!
top pagemovie最新記映画情報(バックナンバー)









監督・脚本:ギャヴィン・フッド
キャスト:プレスリー・チュエニヤハエ、テリー・ペート、ケネス・ンコースィ、モツスィ・マッハーノ、ゼンゾ・ンゴーベほか
2007年4月14日(土)TOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズららぽーと横浜ほか全国ロードショー
公式サイト:ツォツィ
ベネット・ミラー監督来日記者会見に、"たなカポーティ"登場
世界中が胸を打たれた、パワフルな感動のドラマ
"ツォツィ"――"不良""チンピラ"を意味する南アフリカのスラング
2006年アカデミー賞(R)外国語映画賞受賞


 2006年、アフリカ映画初のアカデミー賞外国語映画賞受賞の快挙を成し遂げた「ツォツィ」。元南アフリカ大統領のネルソン・マンデラ氏は、ギャビヴィン・フッド監督と出演者たちに対面した際、「自分もかつてはツォツィだった。南アフリカを世界に知らしめたのはこの作品だ」と彼らを讃えた。

 南ア最大の都市ヨハネスブルク。その最大のタウンシップ(旧黒人居住区)ソウェトのスラム街にツォツィと呼ばれるひとりの少年がいた。本名は誰も知らない。暴力の中で無軌道な生活を送る彼は、仲間と徒党を組んでは窃盗を働き、銃を振りかざしてはカージャックを犯し、その日をただ、怒りと憎しみを糧に生き延びるかのように暮らしていた。名前を捨て、過去に口を噤み、未来から目を逸らして...。

 ある日、少年はひとつの小さな命に出逢う。「生きること」の意味を見失っていた少年は、その小さな命と対峙することで、図らずも「生きること」の価値を見つめ、最後にはそれを選びとることとなる。

 アパルトヘイトその後。「世界一の格差社会」といわれる南アの過酷な現状のリアリティ。

 アパルトヘイトが終焉して10年余。国際社会は南アフリカを忘れてしまった。しかし、その悲惨な現状は、まだ終わってはいない。豊かな生活を手に入れた黒人はほんの一握りに過ぎず、これまでの人種格差に黒人内の格差も加わった空前の格差社会となったのだ。それに伴い社会犯罪は激化し、エイズ孤児の問題も暗い影を落としている。

 豪邸に暮らす黒人がいる傍らには、水道や電気が通っていないボロボロの家を住処とする黒人がいる。映画「ツォツィ」の中では、奪う側も黒人ならば、奪われる側も黒人だ。かつて黒人が簡単に出入りできなかったダウンタウンは、今や世界で一番危険な街、とさえ呼ばれている。「ツォツィ」は、アパルトヘイト後の知られざる南アフリカの"いま"を、鋭くリアルに切り取った初めての映画だ。

「忘れないが、許そう」――岐路に立つ主人公ツォツィに母国・南アフリカの希望を重ねて。

 監督は、南アフリカのヨハネスブルク出身で、本作の成功により次作「RENDITION」(原題)でメジャーデビューを果たすギャビヴィン・フッド。作品のテーマである「贖罪と寛容」を強く訴えるために、60年代が舞台であった原作を現代に置き換え、そして暴力を派手に描くのでなく、リアリティと率直さにこだわって、個々の登場人物の人間らしさに焦点をあてた。

「私は寛容とセカンド・チャンスへの小さな希望を見出したかった。今の南アフリカが、様々な問題をかかえる中で、希望をいだいているように」。映画のラストに込めた監督のこの思いは、かつてマンデラ元大統領が「忘れないが、許そう」と語って踏み出した南アの希望と、まさに重なりあっている。

 主人公ツォツィに扮するのは、映画の舞台であるソウェト出身の新星プレスリー・チュエニヤハエ。伝統的に演劇がさかんな南アの舞台でキャリアを始めた彼は、肌で知ったリアリティと圧倒的な存在感で、ツォツィを体現している。

 原作は南アフリカを代表する劇作家、アソル・フガード。差別する側の「白人」でありながら、反アパルトヘイト運動に身を投じていた彼は、アパルトヘイトをテーマにした戯曲を数多く書き、黒人たちと舞台を演じることによって、国の抱える問題を広く世界に知らしめた。また南アフリカを席巻している、タウンシップから生まれた南ア流ヒップ・ホップ「クワイト」がツォツィの魂に息吹を与えている点も必聴だ。

 加えて南アフリカにおけるクワイトの"スーパー"スターでもあるZolaが出演。全面的に楽曲提供をしているだけでなく、彼の音楽がこの作品のスタイルを決める上でインスピレーションとなった。

 アパルトヘイト後もなお続く南アフリカの過酷な現状と、その先にある希望を見つめ、トロント国際映画祭をはじめとする各映画祭で観客賞を受賞、オーディエンスからの熱い支持を得ているパワフルな感動のドラマ、それが本作「ツォツィ」である。。

(C)Tsotsi Films(Pty)Ltd.2005




ワーナー・マイカル・シネマズ
Copyright (C) 2012 Archinet Japan. All rights reserved.