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『キングダム・オブ・ヘブン』
来日記者会見
監督: リドリー・スコット
出演: オーランド・ブルーム、 エヴァ・グリーン、 リーアム・ニーソン、 ジェレミー・アイアンズ、 エドワード・ノートン
ほか
日時:4月13日(水)
会場:パークハイアット東京ボールルーム
出席者:リドリー・スコット監督、オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン
公式サイト・キングダム・オブ・ヘブン
ベネット・ミラー監督来日記者会見に、"たなカポーティ"登場
 中世エルサレム、十字軍の戦いを背景に、騎士道に生きた青年の姿を描く超大作、『キングダム・オブ・ヘブン』。

 本作で、初の主演を努めたオーランド・ブルームが、共演のエヴァ・グリーン、リドリー・スコット監督と共に来日しました。オーランドは、成田空港に700人ものファンがつめかけたという人気ぶり。

オーランド(以下OB):すごく素敵なエネルギーだね。ピュアだし、心を開いて僕を迎えてくれたと感じるよ。あんなに多くの、叫ぶ女の子を見たのは久々だったけどね。
と、うれしそうに微笑みます。記者会見では、この壮大な新作についてたっぷりと話を聞かせてくれました。

スコット監督(以下RS):本作のプロモーションで3週間前に来日したばかりだが、あの時は、プレスに対して宣伝している時期だった。今回は完成した作品を見てもらえて、とても興奮しているよ。とても長い期間がかかったけど、エヴァやオーランドと仕事が出来て良かったと思う。

OB:以前、スコット監督の作品(『ブラックホーク・ダウン』)に出演したときは、ヘリから落ちる役だったんだ。スコット監督は人に褒められるのが嫌いだから、こう言うときっと嫌がるだろうけど、彼はスタッフやキャストから才能を引き出し、インスピレーションを与えてくれる素晴らしい監督。
 撮影は6ヶ月に渡り、週6日、スペインからモロッコに移動して行い、これまでで最も、肉体的にハードな撮影だった。でも、それだけ得るものも多かった。この作品には、図らずもヒーローになった男、そして真のラブストーリーが描かれているし、すごい戦闘シーンもある。壮大なエピック・ドラマだから、ぜひ楽しんでほしいよ。

エヴァ(EG):こんにちは。日本は初めてですが、一日しか居られません。この映画をとても誇りに思っています。巨匠監督や素晴らしい共演者と仕事ができて、ロケーションも美しく、脚本にも深みがあり、キャラクターも素晴らしいので、ぜひ楽しんで欲しいわ。

Q:父親が主人公に託した4つの誓いが出てきますが、皆さんには、どんな誓いがありますか?

RS:僕の答えは長いから、気をつけてくれ。(会場笑) 僕は子供の頃から映画が大好きで、大学時代に黒澤監督作品に出会い、彼の描く時代劇や武士の姿に、非常に大きな影響を受けた。サムライはヨーロッパの騎士と似たものがあると思う。
 本作でも、デヴィッド・シューリスが演じているザ・ホスピタラーという役に、「常に正しい行為をする」というセリフがあるが、正しい判断が出来るか、ということこそ、この映画のテーマであり、ウィリアム・モナハンという素晴らしい脚本家が書いた、今日にも通じる教訓だと思う。

OB:僕が演じるバリアンのモットーは、男として生まれた以上、この世の中をより良くするべき、ということ。自分がこの世を去るときに、自分が生きたときよりも良い世の中にできたならば、本当に素晴らしいと思う。
 それから、騎士たちの4つの誓いには、恐れを知らず敵と戦うこと、真実を語ること、弱き者を助ける、ということが描かれていて、それは非常に大切な教訓だと思う。今の若い人にも、心に命じて欲しい。

EG:最も重要なことは、常に自分に正直であることだと思うわ。私が演じたシビラは、とてもパワフルな役で、あらゆる困難を乗り越え、最後には外側のシンボルを捨てて1人の個人になる。彼女はそうして、自分の運命を自分でコントロールするようになるの。私の人生は、私の目的は、と考えると、やはり自分に正直で真実であり、自らのアイデンティティをつかんでいくことだと思うわ。

Q:オーランドさんは、これまで多くの歴史物語に出演してきましたが、その理由は?

OB:かつて、学校で演劇を3年間学んだとき、クラシック名作を多く演じたんだ。もしかして、それが今の作品選びに大きな影響を与えているのかもしれないね。でも、『トロイ』では弱気な王子パリスだったから、その後、リドリー・スコット監督の作品で、正反対の勇敢なバリアンという戦士を演じられて、素晴らしい経験だったよ。まだ、プロとして間もない僕が、こんなチャンスに恵まれて、とても良かったと思う。

Q:この映画に対して、イスラム教世界からはどのような反応が出ていますか?

RS:これはよく質問されることだが、イスラム世界では何の問題もなかった。この5年間で、僕は3回モロッコで仕事をしていて、多くのイスラム教徒と仕事をした。その結果、モロッコの王様から勲章メダルをもらったんだ。撮影中は私もほぼモロッコに暮らし、文化も人々も素晴らしく、大好きな場所だ。毎朝、車で現場に着くと、1000人くらいのイスラム教徒が出迎えてくれて、今日は何をするのか?と取り囲んでくれる。  1日に2000人ほどのスタッフと関わるが、そのうち1000人はイスラム教徒で、残りは、ドイツ人、イギリス人、イタリア人、フランス人と、様々な国のスタッフだ。みんなが同じ目標に向かって進み、ものすごくいい作品になる。脅されたか?と聞かれるが、そんなことは一切ない。ヨーロッパではタブロイドがはやし立てるが、それは本当に危険なことだよ。

Q:オーランドさんとエヴァさんは、共演してみて、お互いにどんな印象を持ちましたか?

EG:オーランド・ブルームは、あの、セクシーでホットなオーランド・ブルームよ(笑)。彼はとてもチャーミングで、ノーマルな人間。同時に、素晴らしい役者だと思うわ。今回の役は、今までと全く違い、泥だらけの手や長髪の演技を見せているけど、きっと多くの人が寒心すると思うわ。

OB:どうもありがとう、エヴァ。リドリー・スコット監督作品で、主演女優を演じるのはとても大変な仕事だと思う。エヴァはこれが3本目の出演作で、王女でありひとりの人間であるという、すごく要求の多い役。彼女は素晴らしい仕事をしたし、カメラ映りも驚異的に美しい。
 僕は、すごく簡単に彼女に恋することができたよ。彼女がどんな風にキャラクターを発展させたかを見るにつけ、感嘆する。彼女はフランス人で、英語のフレンチ・アクセントを気にしていたけど、それも完璧だったね。

Q:最後に、皆さんにとって、キングというものはどんな存在であるべきだと思いますか?

OB:威厳と真実、そして慈悲の心と、人々のために使える知恵が必要だと思う。バリアンは、自己発見の旅、心の旅を経て、世の中やライフデザインについて知っていく。映画の最後に、彼は人生で最も大切なものは、人間の命だと気付くんだ。彼はエルサレムを守っているけれど、要塞を守るよりも人間の命を守ることを選ぶ。王にとって最も大切なのは、人間の命がどれほど大切かを認識することだと思う。

EG:すべてのライフデザイン的リーダーが、この映画に出てくるサラディンとボードワン王のようならいいと思うわ。非常に賢く、命を大切にして、ギリギリまで戦争を避ける。あらゆる世の中のリーダー、王や大統領が、彼らのような人徳さ、誠実さを持っていればいいと思うわ。

RS:(順番を振られて)僕の番?王様みたいに、僕の内閣(オーランドとエヴァ)の話を聞いていたよ。(会場笑)ひとつ加えるなら、それはデヴィッド・シューリス演じるザ・ホスピタラーの言葉の中に要約されていると思う。
 彼の役は、本当に汚れのない純粋な善人だ。彼のセリフに、宗教は単なる言葉でしかない、というものがある。宗教は色々な宗派や人々によって利用され、悪用されているが、本当に大切な善は、(頭と胸を指し)ここと、ここにしかない。一番大切なのは、日々、正しい行為、行動をすることだと言っているんだ。





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