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『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』
来日記者会見
監督:キース・フルトン&ルイス・ペペ
出演:脚色:トニー・グリゾーニ
原作:ブライアン・オールディス(『A.I.』)
出演:ハリー・トレッダウェイ、ルーク・トレッダウェイほか
日時:2006年10月26日(木)
会場:六本木アカデミーヒルズ49F
出席者:
キースフルトン、ルイス・ぺぺ
公式サイト:http://brothers-head.com/

 1975年イギリス、パンクの華やかな夜明けを告げるがごとくロックシーンに衝撃的なデビューを飾った「ザ・バンバン」。結合体双生児、トムとバリーによる狂気のパフォーマンスと、恐いほど美しいルックスが、嫌悪と恐怖を熱気に変え、「ザ・バンバン」は一気にスターダムにのし上がる。

 監督は、未完成作による企画成立から崩壊までを描いた『ロスト・イン・ラ・マンチャ』のキース・フルトン&ルイス・ペペ監督。世界中から賞賛を浴びた監督コンビが、期待の最新作で「結合体双生児ロックバンド」という"誰も見たことのない"衝撃の題材を描く。

 本作は東京国際映画祭の特別招待作品として上映され、同日、来日記者会見が行われた。


キース:東京国際映画祭で作品が上映されることをうれしく思っている。3日間の取材だったので僕が疲れているように見えるかもしれないが許してほしい

ルイス:日本にこれたことを大変うれしく思う。そして東京国際映画祭、アスミック・エースに感謝している。

Q:何故、今作をドキュメンタリースタイルでとろうと思ったのですか。

キース:原作ではさまざまな人たちが過去に会ったことを語り、模索している。そこに非常に心を引かれた。「市民ケーン」と似ている。作品的にもドキュメンタリーの手法があっていると思った。胡散臭い登場人物がでてきて、真実は謎のまま、闇の中というところもドキュメンタリーには適している。

ルイス:原作の中心にはミステリアスな双子がいる。二人は体だけでなく心も結合している。究極の結合だ。彼らの姿を描くには、そのありのままの姿を、現実に近い形で撮るしかないと思った。
 私たちも二人でコラボレイトしているが、クリエイターとしての原動力がどこから出てくるのかという疑問を常に思っていた。結合されているからこその彼らの生きる原動力というのは沸いてくるのだと思うし僕らもそれを描きたかった。

Q:この映画にはケン・ラッセル監督と原作者のブライアン・オールディスが登場していたということですが、原作者としてブライアンはどのようにかかわっていったのですか。また、師匠といわれるテリー・ギリアムとのコラボレーションは今も続いているのか?

ルイス:僕らはあらゆる手法でリアリティとフィクションが混ざり合うようにこの作品を作った。映画の中のブライアンは実は本物ではないのだがまるで実際のブライアンのように見かけも、話し方も工夫してもらっている。

キース:作品についてブライアンからのこれといったリクエストはなかった。
彼と一緒に飲んだときに、このような双子は実際の人物としては存在しないといっていた。でも、一方でこの双子は実は存在したという人もいるんだ。

ルイス:我々はテリー・ギリアムを手本として、そして師として、作品を制作してきたが、彼がいつも言っていたのが「映画人として大胆であれ!リスクを恐れるな!」ひとつの芸術の体系として映画を捉え、妥協しない姿勢を彼から学びました。今回の作品をテリー・ギリアムに見てもらい、試写室が明るくなったとたんに、彼がにっこり微笑みながら「よくやった!!」といってもらえたのが何よりうれしかった!

Q:ドキュメンタリーはもう撮らないのですか?

ルイス:フィルムスクールではドキュメンタリーとフィクションは別のものと考えるなということを教わった。これからも、ドキュメンタリーは撮っていきたいし、実際にヴェンダースなど偉大な監督は両方を上手にとっている人が多いしね。

Q:ドキュメンタリーとフィクションの魅力は何なのでしょうか

ルイス:ドキュメンタリーというのは人間の本質を見る目を養ってくれる。これはフィクションをとる上でも非常に重要なツールとなった。この映画は74年〜75年のイギリスパンクロックシーンを舞台にしているが、とっていてあたかもドキュメンタリーのようにこの世界にスタッフとして入り込めたのが非常に楽しかった。

Q:監督たちは大学院からの15年来の付き合いだということですが、喧嘩などはないのですか? 共同監督のメリット、デメリットは何ですか?

キース:共同監督というのは時に、とても難しい。映画業界ではあまり一般的に認められているものではないし、それは2人の監督の間に他のスタッフが入り込めなくなることがあるからではないか。また、ジャーナリストたちも一つの想像力の原点を求めるしね。

ルイス:僕はキースとは考え方が少し違うのだが映画作りのいろいろなことを一人でやるというのは奇跡に近い。ヒッチコックなどの巨匠たちも同じ人たちと何度もコラボレーションしているしね。Q:映画の中にもでてくる「3人目の兄弟」の役割は何なのでしょうか。

キース:人間の本質はいつの時代も「謎」でありそれを説明したいと登場人物が語っていくところが面白いと私は思う。主人公の2人はある意味天才で、3人目の兄弟というのは彼らの天才性、カリスマ性をさらに意味深いものにしていると思う。

Q:「映画」に対しての情熱を教えてください。

ルイス:この作品(「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」)に僕らの愛情のすべてを注ぎました。作品は90分という限界がありますが、これからの僕らの監督作品で自分たちがどういうものに興味があり、どういうものがすきなのか是非とも日本の皆さんにも知ってもらいたい。この作品を僕らに触れるきっかけのひとつとして捉えてもらえるとうれしいです。

Q:主演の二人は双子で、主人公のハウ兄弟と共感することも多かったと思いますが、実際に二人の意見を取り入れるところは会ったのでしょうか。

ルイス:主演のトレッダウェイ兄弟に会ったとき。ミステリアスで神秘的なものを感じた。双子の関係はこれは僕の想像だけれど、恋人/結婚相手との関係に似ているのだろう。
 トレッダウェイ兄弟に双子だと知らなかった人が「2人はどこで出会ったのか?」という質問をしたとき二人は「子宮の中で」と答えていた。そのときこれはすごいことだと実感したよ。

Q:70年代の音楽、パンクロックに興味はあったのですか?

キース:80年代はレッドツェペリンとピンクフロイドを聞いていた。今は40歳で中年クライシスだがパンクはそれを解消してくれる。この時代は僕はまったく正反対の音楽を聴いていたんだけどね。

ルイス:パンクが人気だった頃、ぼくはベートーベンとリストを聞いていた。彼らは19世紀のパンクロッカーだったと思うよ!

(C)2006 TIFF




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