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『ポセイドン』
来日記者会見
監督::ウォルフガング・ペーターゼン
出演:カート・ラッセル、ジョシュ・ルーカス、エミー・ロッサムほか
日 時:2006年5月17日(水)
会 場:グランドハイアット東京
出席者:
ウォルフガング・ペーターゼン監督、カート・ラッセル、ジョシュ・ルーカス、エミー・ロッサム
公式サイト:ポセイドン
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 1972年、劇場をパニックと興奮で包み込んだ『ポセイドン・アドベンチャー』が、現代に甦る。

 最高のCG技術、膨大な量の水、俳優たちの体当たりの演技が注入されたスペクタクル映画『ポセイドン』。本作の来日記者会見が行われ、監督のウォルフガング・ペーターゼンをはじめ、主要キャストが作品について語ってくれた。


Q:本作の水中アクションは、非常にリアルですが、撮影中、恐怖を感じたり体力の限界を感じたことはありましたか?

ペーターゼン監督:僕は見ているだけで美味しい役割だったな(笑)!

ラッセル:こんなに大量の水を使う映画だから、常に心理的なプレッシャーがあるよ。一度水中に入るとなかなか出られなくて、大変だったね。でも、監督のヴィジョンを実現しようとみんなで頑張ったんだ。

ルーカス:ほとんど、僕たち自身で演じて、CGやスタントはわずかだったからこそ、これほど素晴らしい映画が出来たと思う。毎日身体を張って撮影に臨んだけれど、監督のマジックで、それも楽しみに変えられてしまうんだ。実際、毎日パニックで怖い思いをしていたんだけれどね!

ロッサム:こんなに、心理的にも肉体的にも大変な映画は初めてだったわ。でも、ジェニファーというキャラクターはとても勇気のある女性だったから、私もスタント無しで演じて、男性たちに、女でもできるのよ、と見せたかったの。
 水のタンクに入るシーンは本当に怖くて、本当に助かる?って、カートと目で合図していたのを覚えているわ。

Q:パニック映画のリメイクに、『タワーリング・インフェルノ』ではなく『ポセイドン・アドベンチャー』を選んだ理由は?

ペーターゼン監督:『タワーリング・インフェルノ』には水がないからね(笑)。水の映画は僕はこれが3本目で、もう最後にするつもりだよ(笑)。
 今、世界中で多くの自然災害や人工的な災害が起こっているが、今こそ、人間がどう行動するべきか再考する時だと思う。一般人が突然災害に襲われたとき、どうなるのか、肌の中にしみこむようなリアルさをもって描きたいと思ったんだ。その数秒が人生を変えるという、実際に起こりうることのメタファー(たとえ)として、この映画を作りたかった。

Q:俳優の皆さんは、実生活でも泳ぎが得意なのですか?また、大量の水を使った撮影で、身体を壊したことは?

ルーカス:撮影中、パニックになったことがあって、死ぬ思いをしたけれど、ようやく終わったと思ったらそれから10テイクも繰り返してやらされたよ。わかったのは、生きるか死ぬかの状況だと、人間は普段よりも長く息が止められるってことだね(笑)。

ロッサム:まるで、本当に私たちがサバイバルできるかどうか試されているようだったわ。それくらい怖かったの。

ラッセル:僕はH型インフルエンザや気管支炎になってしまったんだ。休みをもらって静養して、また元気になったんだが、むしろ僕はラッキーだよ。撮影の方がもっと大変だったからね!

ルーカス:ペーターゼン監督は、転覆させた船に大量に水を流し込んで、そこに火をつけちゃうような人だよ!誰だって危機を感じるに決まっているさ。
 僕も手を切ってしまい、4度も縫うはめになったけど、その苦労のおかげで、とてもユニークな素晴らしい映画になったと思う。医者には「おかげで病院が大繁盛だ」と感謝されたよ!

Q:本作は、オリジナルと比べて人間関係やシチュエーションが大きく変わっています。ラストはオリジナルに無い部分も描き、尺は前作より短いのですが、このようにまとめる上で苦労は?

ペーターゼン監督:オリジナルは、ポップコーンを食べながらゆったり座って鑑賞できる映画だ。今回はまったくアプローチの違う、色の違う映画にしたかった。いわば、スーパー・リアリスティックな映画で、臨場感のある映画を目指したんだ。
 乗客は他人同士で、あの場を楽しむために乗船している。そんな時に突然、バン!と災害に襲われる。赤の他人同士が、人生で最も極限の75分間を一緒に生きることになる、そのフィーリングを表現するよう工夫した。

 船がどんどん沈み、時計の音がカチカチとなる中、観客は乗客の感情を自分たちの感情として感じてほしい。見ているだけでも憔悴しきって、汗だくになって、ものすごい恐怖を感じる。映画が終わってライトがつくと初めて、ああ、これは映画だった、面白かった!と感じる。そんな瞬間を観客が味わってくれるときが、僕は最高に嬉しいんだ。

Q:俳優のみなさんは、演じた役に共感できた点や、自分の共通点はどんな点ですか?

ロッサム:ジョニファーは19歳で、私も19歳というのは共通しているわ。でも彼女は私よりも強いし勇気がある。私なんて紅茶をこぼしただけでパニックよ。でもこの映画には勇気を持って挑戦したわ。それから、カートのようなお父さんがいないことは大きな違いね。

ルーカス:ディランはアクション・ヒーローでもなければ、生き残る力を与えられているわけでもない。いい人というキャラクターではないんだが、パニックに陥り、様々な経験をすることで人間らしくなっていく。珍しい役柄だし、それに惹かれたよ。あとは、基本的に彼は欠点だらけ。僕も欠点だらけなところが共通しているね。

ラッセル:キャラクターについて、どんな背景を持った人で、どんな行動をするのか、普通は、監督とよく話し合って作り上げていくものだが、この映画ではそれはすべて省かれ、すぐに彼らを水中に放りこんでしまう。
 観客はきっと、見ているうちに彼らの関係を考えたりするが、ペーターゼン監督は、彼らがどんな人間か、ということよりも、彼らの体験自体を見てほしいんだ。お互いの名前なんて知らなくてもいい、とにかく暗い劇場内で極限の体験をする。僕はそこが気に入って出演を決めたんだ。

 今、この瞬間だって、この記者会見場で何かが起きるかもしれない。そうなれば、隣の人が死んでいるのか生きているのかさえわからないし、1時間後には自分自身の運命だってわからなくなる。そんなリアルな体験をさせてくれる、それが素晴らしいと思ったんだ。

Q:オリジナルとは船の形が大きく違っていますが、モデルとなったものはありますか?

ペーターゼン監督:オリジナルの船は、あれが最後の航海という設定だったため、老朽化した船だった。今回は、全く違う豪華な客船を作りたかった。今存在する豪華客船といえばクイーン・メアリー2号だが、さらに進んだ、近代的な客船を作った。出来上がりは非常に気に入ったよ。

 僕が最も自信を持っているシーンは、船の全景が出てくる最初の場面だ。これほど大胆でユニークなCGは映画史に残ると思う。絶対にCGとわからないほどのリアリティがあるよ。この2分半のために14ヶ月をかけ、膨大な資金と想像力をつぎ込んだ。船はこの映画のキャラクターのひとつだし、このデザインをオマージュとして捧げたいくらいだよ。




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