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『オリバー・ツイスト』
来日記者会見
監督:ロマン・ポランスキー
出演:バーニー・クラーク、ベン・キングズレー、ハリー・イーデン、ジェイミー・フォアマン
ほか
日時:10月29日(土)
会場:Bunkamura B1リハーサルルーム
出席者:
バーニー・クラーク ロベール・ベンムッサ(製作)
公開情報:2006年お正月第二弾・日比谷スカラ座ほか全国にて公開
公式サイト:オリバー・ツイスト
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 東京国際映画祭の公式上映作品として招待された、ロマン・ポランスキー監督の最新作、『オリバー・ツイスト』。

 カンヌ映画祭のパルムドールや、アカデミー監督賞にも輝いた『戦場のピアニスト』から3年、同じスタッフが集まり、文豪ディケンズの名作を映画化するとあり、注目度も満点。

 この作品で映画デビューを果たし、その憂いを秘めた表情でオリバーを演じた、バーニー・クラーク君がプロデューサーのベンムッサ氏と来日した。

Q:初の主演でポランスキー監督の作品に出演した感想は?

バーニー(以下BC):今回の映画は、僕にとって、すばらしい経験でした。監督をはじめスタッフの人々と一緒に、この映画の一部になれたこと、そして、役がオリバーということで、すごく嬉しかったです。

Q:ベンムッサさんは、『戦場のピアニスト』でも製作をつとめていますが、今回は少年を主人公にすることで、何を訴えようとしたのでしょうか?

ベンムッサ氏(以下RB):『戦場のピアニスト』は世界で大きな成功を得ましたが、その後、ポランスキー監督はすべての人が感動するような作品を作りたいと考えていました。その中で、幼い少年がひとつずつ困難を乗り越えていく以上に感動を呼ぶものはないと考えたのです。

Q:バーニー君は、舞台の経験があると思いますが、あなたのこれまでの経歴を教えてください。そして、この映画で最も難しかったシーンと、逆に楽しんだシーンを教えてください。

BC:僕は昔、週に一度、学校の帰りに演劇学校に通っていて、それがだんだんと週に二度になり、その後、エージェントが付いて今に至ります。難しかったのは、オリバーが、悪人のフェイギンに会いに行く最後のシーンで、とても感情的になる部分だったので難しかったです。楽しかったのは、悪人仲間のビル・サイクスと屋根の上に上っているシーンです。
 本当に屋根を高いところに作ったものでしたが、楽しく撮影しました。それから、葬儀屋の従弟のノア・クレイポールと喧嘩するシーンは楽しかったです。夜の撮影では、雨が降っていて寒いし、眠くて大変でした。

Q:この作品は、フランスのプロデューサーと監督、イギリスのキャスト、現場はプラハというように、とても国際色豊かな製作ですが、ベンムッサさんは、このすべてをまとめるのに、どのような苦労をしましたか?

RB:大成功を収めた『戦場のピアニスト』の次回作ですから、何よりも、私たちは同じスタッフで作業を進めたいと思いました。衣装デザイナーやセット・デザイナー、撮影監督やシナリオライター、そして配給会社も同じです。『戦場のピアノスト』以来、私たちはとてもいい関係になり、信頼関係で結ばれていましたから、資金面でもお世話になることがありました。
 19世紀初頭のロンドンの風景は残っていないので、何もないゼロから作り上げなくてはならず、製作はとても複雑でした。85棟にも及ぶ建物や道路を作り、細い建物の建設やレンガの積み上げ、屋根や窓を作り上げるなど、膨大な資金がかかりましたが、お互いの信頼関係で上手く行き、技術的にも上手く行きました。

Q:バーニー君は、オリバーという大役を射止めて、監督からどのような演技の指導がりましたか?

BC:監督からは、甘いものを控えるように言われたことを覚えています。オリバーは貧しいので、ほっぺたが膨らんでいると良くない、ということでした。監督は、あまり口で説明はせず、場面ごとに自分で実際にやってみせてくれます。甘いものを我慢するのは、それほど大変ではなかったです。

 たまに、隠れて食べてしまっても見逃してくれていたし、お菓子を食べられない代わりに、ゴーカートに連れていってもらい、怪我をしないよう注意しながら遊ばせてもらいました。

Q:オリバーはミュージカルでも大変有名な役ですが、バーニー君自身、こういうオリバーを演じたい、と思って役作りをした点はありますか?また、フェイギンを演じたベン・キングレーとの共演の感想を教えてください。

BC:役作りというよりも、場面ごとに集中して演じるように監督から言われたので、そうしました。サー・ベン・キングスレーは、最初から最後までフェイギンで、現場に到着したときはすでにフェイガンの格好をしているし、撮影以外でも、最後までフェイギンを通していましたから、とてもやりやすかったです。僕がもしずっとオリバーだったら、悲しい顔をしていなくちゃいけないから、きっと退屈だったと思います。

Q:バーニー君と同じ年代の少年にとって、オリバー・ツイストはどのくらい知られているのですか?

BC:オリバーはミュージカルがとても人気で有名なので、僕と同じくらいの少年なら、誰でも知っています。原作は知らないけどミュージカルなら知っている子もいます。ポランスキー監督は、子供の映画は子供にわかりやすいように作られているけれど、この映画は、僕たちも色々と考えなくてはいけない作品だ、と言っていました。ストーリーも本当に素晴らしいと思いますし、僕の世代の子供たちにはとても人気があります。

Q:ミュージカルで広く知られ、かつてアカデミー賞も取っている題材に取り組むにあたり、製作上、以前作られた作品を意識しましたか?

RB:ロマン・ポランスキー監督は、自分の作品に取り掛かるときに、過去の作品からインスピレーションを得るようなことはありません。彼は、チャールズ・ディケンズの原作に立ち返り、彼自身の若いときの体験をミックスさせました。
 観客は、ポランスキー監督が少年時代に体験してきたことが、オリバーの体験とよく似ているとわかるでしょう。少年時代の孤独や、食べ物のない苦しさ、少年労働など、すべては、監督自身が少年の頃に体験したことで、それをオリバーに投影させているのです。

Q:バーニーさんは、改めてポランスキー監督と仕事をした感想を教えてください。それから、初来日ということですが、日本の印象はいかがですか?

BC:彼はもちろん、本当に素晴らしい監督ですが、それは多分、彼自身も俳優だからだと思います。セットでよく冗談を言うし、撮影中に、カートに乗ってデコボコ道をスピードを出して走り回っているような、楽しい人です。
 日本に来ると言うと、誰もが「最新の電気機器やゲームがある」と言います。僕はイギリスで9月1日に出たPSPを買ったばかりで、ゲームは日本の方が種類も多いし安いと思うので、ぜひ買っていきたいです!
 ポランスキー監督を驚かせた演技力を持ちながら、12歳の少年らしいあどけなさを見せてくれたバーニー君。子供たちの憧れであるオリバー役を、この映画の中でどんな風に演じているのか、楽しみにしたいですね!




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