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 三菱グループの三菱重工業、三菱商事、三菱自動車は、9月19日、アイスランドのクリーンエネルギー政策を支援するため同国と覚え書き(MOU)を交換すると発表した。

 これはクリーンエネルギー利用のパイオニアを目指す同国を技術的に支援していくもので、第1弾として新世代電気自動車の実証試験のためのインフラ構築で協力する。

 調印式は、首都レイキャビクで予定される「Driving Sustainability Conference(DSC)」の開催(18〜19日)に併せて行う。アイスランド側からはオッスル・スカルブヒューディンソン産業エネルギー観光相が、また日本企業側からは福江一郎・三菱重工業副社長、木島綱雄・三菱商事常務が出席する。




 アイスランドは1980年代以降、再生可能エネルギーへの転換を進め、現在では地熱と水力で電力供給のほぼ全量を賄うに至っている。また、近未来の水素利用社会を目指した多様な挑戦も新たに開始しており、先進のクリーンエネルギー政策国として世界の関心を集めている。一方で、車両や船舶など移動体の動力源については化石燃料に頼る状態が続いており、同国政府はこれについても早期の改善に着手したいとしている。

 今回の合意は、三菱重工業が4月に新設した「エネルギー・環境事業統括戦略室」が窓口になって進めたもので、このようなアイスランドの政策と日本側関係者の思いが一致してMOU調印に至った。今後、同国の主産業である水産業の漁船燃料についても、軽油に代わるクリーン燃料の生産・供給で協力することを検討していきたい考え。

 新世代電気自動車は、走行中にCO2などの排出ガスは出さず、電気代もガソリン代に比べ大幅に安価という特長を持つ。現在、CO2排出削減ニーズの高まりを背景に、各種ハイブリッドカーや水素燃料電池車など多様なエコカーの開発が進められているが、電気自動車はその代表格といえる。

 アイスランドと両社の関係は、これまでも三菱重工業が三菱商事とともに同国向け地熱発電設備累計15基を受注・納入するなど多様に続けられてきたが、今回のMOU調印を機に、それぞれが保有する技術・ノウハウを結集しながら、エネルギー・環境分野で一層積極的な提案を行っていく。また、クリーンエネルギー利用の最先端国であるアイスランドでの社会実験を通じて得た経験を今後の世界展開に繋げていきたい考え。

 『我が国とアイスランドは共に、火山国として共通点が多い。一方で、我が国では地熱発電への試みが遅れている。今回の試みによって、地熱発電などへのコラボレーションの成果も期待できる。』(編集部)

三菱グループ(関連ニュースリース/出典)
駐日アイスランド大使館

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